外食アワード

外食産業記者会の創立25周年記念事業として制定した表彰制度は、今般第17回目になります。選考委員会は、このたび「外食アワード2020」の選考作業を終え、表彰対象者(受賞者)として分野別に合計6氏を決め、ここに発表します。
 また、2020年は外食から見てどんな年であったか、どんなことが話題になったのかを象徴する言葉として、選考委員会は5つの「2020年外食キーワード」を選びました。

 
 
こんどう・まさき
近藤 正樹
日本KFCホールディングス株式会社 代表取締役社長
《表彰理由》
コロナ禍においても既存店売上高の前年超えを連発。もともと売上に占めるテイクアウト比率が8割近い業態である強みも活かし、飲食店チェーンとしてコロナ禍でも戦える姿勢を示した。特に緊急事態宣言下にあった4、5月の既存店売上高30%超の伸びは圧巻。「接触」や「密」を避けたい利用者のニーズに対応するドライブスルー売上を大きく伸ばし、デリバリー対応店舗の拡大も進めるなど、コロナ禍で変化する消費者心理や行動を捉えた取り組みが奏功した。以前から力を入れている店舗の日常利用推進や体験価値向上のための施策とも相まって、好調な売上を維持している。
 
はまくら・よしのり
浜倉 好宣
株式会社浜倉的商店製作所 代表取締役
《表彰理由》
渋谷の大型商業施設「MIYASHITA PARK」にオープンした「渋谷横丁」がコロナ禍にあって連日大盛況。毎日が食フェスをテーマに全長100mの横丁に19店舗が入り、総席数は1600席。これを全て直営で運営し、商業施設にありながら24時間営業で、目標年商は36億円。自身が生み出した横丁スタイルの集大成であり進化型ともいえるスケールや繁盛ぶりは、コロナ禍にあっても外食が持つ楽しさ、コミュニティの場としての強みを再認識させ、多くの外食の同志を勇気づけるものとなった。
 
たがわ・しょう
田川 翔
株式会社ギフト 代表取締役社長
《表彰理由》
「町田商店」として、家系ラーメンブランドを確立する一方で、麺とスープを供給する屋号が自由なプロデューススタイルのFC展開を通じ、ビジネスモデルとしての武器を最大限に活用しつつ、家系ラーメンの魅力を広げた。と同時に、家系以外のラーメン店も展開。横浜家系ラーメンの事実上最大手としてラーメン市場を牽引している同社は、今期(21年10月期)の採用は過去最多人数を計画するなど、ジャンルを超えて外食業界そのものへの貢献意識も高く、今後も長く外食の普及に寄与する存在として期待される。
 
よしみ・ゆうき
吉見 悠紀
株式会社ゴーストレストラン研究所 代表取締役

《表彰理由》
コロナ禍で実店舗を持たない「ゴーストレストラン」が数多く登場しているが、それに先駆けていち早くゴーストレストラン事業を始め、抜きんでた売上実績を残している。2019年1月に目黒区の住宅街にある5坪の間借りキッチンでゴーストレストランをスタート、2020年6月には西麻布の17坪のキッチンに移転し、規模を拡大。「日常食のアップデート」をテーマに、より豊かな食体験を届けることをミッションとしている。「実態が見えない」ゴーストレストランだが、調理工程がよく見えるオープンなキッチン造りなど、業界のイメージ向上にも努める。これまでイートイン中心の飲食店に対して、「食のデジタルマーケティング企業」として、ITやマーケティングの視点から新たな可能性を示している。

 
たけかわ・あつし
竹川 敦史
株式会社フードサプライ 代表取締役社長
《表彰理由》
4月7日、7都府県に「緊急事態宣言」が発令。飲食店は休業・時短営業を余儀なくされ、業務用食材は行き場を無くした。業務用野菜卸・フードサプライは4月9日、非接触の販売方式「ドライブスルー八百屋」を立ち上げ、外食産業向けの野菜を一般消費者に販売した。その展開は全国に波及し、最大で30ヵ所、6万人以上が来場などとBtoBとBtoCの流通の壁に風穴を開けた。その取り組みは生産者支援のみならず業務用食品卸の新たな販売チャネルのモデルケースとしての道筋を照らした。
 
あとべ・みきお
跡部 美樹雄
株式会社ミートエポック 代表取締役社長
《表彰理由》
2012年、東京・六本木に出店した熟成肉専門店「旬熟成」がきっかけとなり、熟成に必要な発酵菌の研究に着手。明治大学農学部村上周一郎教授と株式会社ミートエポックを設立。同氏との共同研究により安全でかつ迅速な発酵熟成肉を製造することができる日本初の「エイジングシート」を2017年9月に実用化。ファーストキッチン株式会社への導入を皮切りに、肉だけでなく鮮魚の保存にまで活用領域を拡大し、安全な発酵熟成食品の提供に貢献している。
 
該当者なし
 
 
 

コロナ禍
 2020年2月ごろから感染者が急増した新型コロナウイルスで、世界的に経済が停滞したこと。日本でも4月に政府が緊急事態宣言を行い、飲食店は22時以降の営業を自粛するように要請があった。5月末には国レベルの宣言は解除されたものの、東京都や大阪府、愛知県など、自治体レベルでの営業自粛要請もあり、外食業界は大きな影響を受けた。

テイクアウト・デリバリー
 コロナ禍で三密(密閉、密集、密接)を防ぎながら、ビジネスを広げる手法として注目された。両方に強いファストフードはもちろん、大手から個人の居酒屋までテイクアウト商品を開発し、店頭で弁当などを販売したが、労力を使った割には利益にならないケースも少なくなかった。ただ、イートインスペースを持たず、テイクアウト・デリバリーだけで営業する「ゴーストレストラン」が増えるきっかけになった。

Go Toイート
 農林水産省主導で実施した飲食店支援策。同種のものに観光業界支援のために国土交通省が実施したGo Toトラベルがある。Go Toイートは、指定された予約サイトから予約すると、ランチで1人500円、ディナーで同1000円分のポイントが付与されるオンライン予約事業と、購入した金額に25%のプレミアムがつく食事券事業がある。当初は混乱もあったが、オンライン予約事業は人気が高く、飲食店の営業の後押しとなった。

唐揚げバブル
 数年前からの唐揚げ専門店人気に加え、コロナ禍によるテイクアウト・デリバリー需要の高まりで、あらゆる企業、店が唐揚げビジネスに参入した。最大手は「かつや」系の「からやま」だが、すかいらーく系の「から好し」が後を追い、ワタミの「から揚げの天才」も参入している。既存厨房を使い、唐揚げのゴーストレストランとしてビジネス展開する企業も後を絶たず、飽和状態ではないかと危惧する声もある。

フェイクミート
 大豆を中心とした植物由来のタンパク質を使った食品。「代替肉」「植物肉」とも言われる。大豆タンパクを使った肉類似商品は古くからあるが、米国でベンチャー企業が次々登場し、日本でも販売する企業が増えている。「モスバーガー」や「焼肉ライク」など、外食業界でも導入が進んでおり、将来的には4000億円市場になるとの声もある。ただ、現状では、利用者は限られており、欧米のような大きな市場に育つかどうかは懐疑的な意見もある。

 

特別協賛:焼肉ビジネスフェア事務局/居酒屋JAPAN事務局
 

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